きれ痔 (裂肛)とは?
肛門の出口に近い部分が、固い便の通過により切れてできるものです。
この部分には過敏な神経があるため、排便時の痛みが大きく、その痛みは排便後もしばらく続いたりします。
比較的若い人に多い疾患です。また、女性に多く、男性の5~6倍と言われています。
裂肛が慢性化すると、肛門潰瘍になります。「潰瘍」とは、粘膜や皮膚の表面が炎症を起こしてくずれ、できた傷が深くえぐれた状態になることです。そうすると肛門は次第に狭くなり、便が出にくくなります。便を出そうとすると潰瘍部分が刺激されて激痛が走り、それが苦痛であるために便をがまんして便秘になることも多いです。

便を柔らかくするために下剤を使うと排便は楽ですが、ゆるい便を出す習慣がつくと肛門はさらに狭くなってしまい、排便障害を引き起こす可能性が高まります。また、ゆるい便は炎症を引き起こし、膿が溜まって痔瘻になることもあります。

裂肛の予防法
まず便秘にならないようにすることです。そして、性急に強く力んで排便しないことです。便意を感じたら我慢せず、すぐにトイレに行きましょう。若い女性に便秘が多くみられますが、便意を抑えることが便秘の始まりになっているように思われます。
裂肛の治療
創が新しくて浅い時にはまず便を柔らかくすることが最も大切です。
そして、入浴などで創口をきれいにしましょう。慢性化してしまったら、早めに手術を受けた方がよいと思います。
便に水分を保持してくれる主な食品には以下のようなものがあります。
「水 KEEP あれ」と憶えて下さい。

慢性裂肛になってしまうと、薬ではなかなか治らないため、以下のような手術をします。
①LSIS法(中程度)

メスで肛門内括約筋の一部を広げ、肛門の緊張を緩める手術です。
主に、肛門狭窄を伴った慢性裂肛の場合に用います。
肛門狭窄が解消され、裂肛の傷の治療効果が高まります。
【メリット】
・手術後からスムーズな排便を感じることができる。
・他術式と比較し、痛みは軽い。
②SSG法(重症)
皮膚弁移動術ともいい、排便時に伸縮できないほど皮膚が損傷している場合に行われます。
肛門内括約筋を拡げ、外側の皮膚の一部を糸で寄せて移動させます。
【メリット】
・手術後からスムーズな排便を感じることができる。
【デメリット】
・手術創が少し大きい。

